2013年9月20日金曜日

iPhone 5sまつりに参加してきた

この夏のアメリカ長期出張で、アメリカのサービスの悪さはITで補われていること、そこに特にiPhoneの存在が大きいことを強く印象づけられた。

Androidでは、たいていだめ。Google Mapsはとても便利なんだけれど、iPhoneのAppleマップもとても改善されていて、十分使い物になる。

車社会のアメリカでは、西海岸の大都市を除いて公共交通機関の案内はひどく悪い。そもそも飛行機でさえ、UA(ユナイテッド)はチェックインした客が搭乗しようがしまいが、なんのコールもしない。それ以前に、搭乗開始のアナウンスさえマイクを使わないから、ITなしでは搭乗カウンター前に1時間前から陣取って、いつ整列の指示をするのか見張っていなければならなかった。UAのアプリを入れていれば自動で通知があるから、その辺歩いたり食べたりしていても大丈夫なんだが。さらに、プライオリティパスさえあれば列に並ばなくていいから、スマホの呼び出しでぶらりと行けば乗れる。僕はとにかく格安チケットで最低ランクのエコノミーばかりだったから、何便も寝過ごしたとかスマホの画面見て下向いている間に飛行機が飛んでしまったとか、余分な出費と無駄な時間をずいぶんと過ごした。

飛行機もそうだけれど、鉄道路線の案内も決してよいものではない。そもそもどこに駅があるか、観光都市ならインフォメーションで地図をもらえばいいけれど、そうでなければ地図サービスのお世話になるしかない。バスはもっとひどくて、西海岸は比較的表示が多いのだが、ピッツバーグはバス停は単に「BUS STOP」のカードがついた杭が立っているだけ。それがどの路線でどこ向きで何時にどこへ行くのかなどは全く書かれていない。逆向きの場合、バス停さえなく、降りるときに停車場所をきいておかないと、次のブロックだったりして途方に暮れることもあった。

で、だいたいお決まりは「Webサイトを見よ」。URLだけ書いてあったりする。かといって、バス停を探そうとすると、最初に「正確な住所を入力せよ」と投げ出されて、部分一致検索とかさえなかったりするので、大きなPDFの路線図を小さな画面で拡大して、いまいるらしい場所に近そうなバス停の名前を探したりするのだけれど、「なんとかストリート」がむちゃくちゃ長かったりするので、その「なんとかアベニューの交差点」といわれてもアベニューが見つからなかったりするのであてにならない。

その点、Google MapsもAppleマップも丁寧にバス停の位置を現在地からナビしてくれるし、何時発車の何番バスにどこまで乗ってどこで乗り換えればいいかまで表示してくれるから、画期的なわけです。というか、交通会社がなんだかそのせいでシステムの改良をさぼってるんじゃないかと思う。

それから、食事や買い物に絶対に必要なのがYelp。店の公式サイトはなくてもYelpには掲載されていたりするし、Yelpの☆4つ以上でない店は基本的に信用できない。また、ちょっとしたレストランならTables.comで混雑状況を確認して、即座に予約を入れなければ数時間待ちとかその日は入れないとか平気である。

YelpはたしかiOSしかなかったはず。Web版もあるけどiOSアプリのほうがずっと見やすい。僕はWalmartで買ったT-MobileロックのかかったNokia Lumia 521を$125で買ったものしか現地の携帯は持っていなかったので、Google Mapsでかなり助けられたけど、Yelpの恩恵は、ひとえに同行してくれた方のおかげだった。

というわけで、貧乏人がiPhoneを持つチャンスは、当面のところ、今朝の行列での機種変するしかなかった次第。ただ、日本のキャリアはまだSIMロック解除ができないし本体持ち込みでSIMだけ契約することもできないので、日本のキャリア縛りを買って、海外ではローミングで使うか、現地キャリアのMobile Hotspot(日本で言う、3Gルータ?LTEになってなんて言うんだろうか?)にWi-Fiで接続して使うかのどちらかか両方。

キャリアアンロックやSIM Free版に期待をしている人も多いようだけれど、少なくともドコモはLTEを自社販売のiPhoneでしか使わせない方針だし、他社もiPhoneは特別扱いだからプリペイドSIMが使えるのか、また結局それらは3Gまでなので、LTEには接続できない。そして困ったことに、LTEでは接続できても3Gはさっぱり、という地域がどうも身の回りで増えている状況があるので、観念してドコモの機種変を選びました。

というわけで、「まつりに参加」と書いたのですが、さすがにApple Storeの長大な行列に加わってメディアの取材を見て面白がるほど若くはないので、今回は名古屋市内の金山駅前ドコモショップに並ぶことにした。ひとつは、キャリアの契約にApple Storeの店員が慣れているかどうかの心配のほうが、ドコモの社員がiPhoneの取り扱いに慣れているかの心配を大きく上回ったからという事情もある。

昨夜7時の閉店時刻にたまたま金山駅を通過する用事があったので、ドコモショップのほうを眺めたところ、たったひとり、大学院生風の人がいただけだった。実はこのときはまだ決心は固まっていなくて、しかし各店在庫が10数台との噂から、この時間でこの人数なら大丈夫ではないかとの勇気を得て、職場から防寒用の毛布一枚を持ちだして野宿することにした。

ドコモショップは駅に面しているものの、裏通り側なので道が狭く、車の量も、スピードもたいしたことがないから結構静か。念のため、手持ちのガジェットはすべて満充電にしてKindleで読みかけの洋書も用意して終電での到着に臨んだけれど、その時点ではまだ2人目がいただけだった。結局3番が確定し、それとともに入荷量の掲示があり、安堵することとなった。

iPhone 5sは、シルバーとゴールドは入荷ゼロ。スペースグレイのみ。16GBが12台で32GBが13台で64GBが10台とか、そんな感じだった。5cはイエローは0だけれど、あとは20数台ずつ入っているようだった。

色に関しては、もともとグレイを黒いケースに入れて、iPhone 4みたいな真っ黒にするつもりだったので問題なし。安心して、よそはどうかなとTwitterのTLを眺めたり、あまりたいした情報が流れないので飽きてKindleで読書したりしていたのだけれど、隣が横になって眠りはじめたら、つられて眠くなって、毛布をかぶり、カバンをマクラにして眠り込んでしまった。さすがに深夜早朝は冷え込んだようだが、魔法の毛布のおかげで汗ばむほど、歩道のタイルも心地よく、枕の加減もよくて熟睡できた。

朝5時半ごろ目覚めると、警備の人たちがロープの張替えをしたりしながら他の行列の状況を互いに電話で交換しあったりしていて、やはりApple Storeは200人とか、別のどこかは0人とか、そんな声がきこえてきた。6時前を待って駅前のトイレを使って駅前のコンビニ(すぐそばのファミマはなんとなく気恥ずかしくて避けた)で朝食を買って食べた。この時点でまだ8名ぐらいだったような気がする。また眠りこけて目が覚めると、8時45分とかそのぐらいで、ドコモショップの店員から整理券と注意書きの束を配られた。3日前に、この店で見積もりや説明を受けているので、特に新しい内容はなかった。この時点で、20名ぐらいだったのではないか。

午前9時ちょうどに店が開き、従業員の整列の前を通って(いま思えばApple Storeのようにハイタッチなどしてあげればよかったとは思うが、寝ぼけていたので、日本人らしく「おはようございます」とか言いながら頭を下げて通過した)、カウンターに案内された。

こちらは事前に契約内容も決め手あり、手続きの順番も把握していたので、担当の応援の若手スタッフを暖かな目で見守るような感じで粛々と手続き。貧乏なので一括払いはできず24回払いなので、与信調査にちょっと時間がかかった以外は、いわゆる回線開通の儀式などはこちらのほうがよほどわかっているので、自前のドコモ回線のMobile Hotspotを使い、ドコモのキャリアプロファイルをダウンロード、インストール(署名がなかったんだがどういうことか)もこちらで行い、それからOS起動後の諸手順もこちらで教えてあげたりしたので、なんだか1番や2番の人より早く終わってしまった。といっても、10時半ぐらいにはなったんだけれど。

というところで、長くなったのでこのエントリーはここまで。次のエントリーで盛大にぼやくことにする。