2013年9月20日金曜日

iOS 7でのプライバシー設定(改善、か?)

iOSが行動ターゲティング広告会社にデータを売っている話が、iOS 6の頃にあった。

iOS 7でそれがどうなったのか気になっていたけれど、設定を見つけることがきょうまでできていなかった。ようやく気になるいくつかを見つけたのでこちらでご報告申し上げる次第。

まず、行動ターゲティング広告のIDについては、設定アプリの「プライバシー」の、いちばん下にずばり「広告」というのがあった。内容をみるに、これが以前問題になったものと共通する項目のようだ。明瞭な名前になったのは非常によろしい。

そして、デフォルト設定だが、「追跡型広告を制限」が「オン」になっている状態。以前のことがあるのでどちらの意味か迷ったが、いったんオフにして再びオンに戻すことに気づいた次第。したがって、「デフォルトで行動ターゲティング広告のIDは出さない」。デフォルトのままでよいということになる。これもよろしい。

というわけで、他社への販売業はやめたようだが、iOSには、iAdというアプリ組み込みの広告表示機能がある。iAdのライブラリを使ったアプリが出す広告を 妨げるにはそれこそ脱獄でもして機能を無効にするTweakでもあてるしかないのだが、広告の精度を向上させるには位置情報(GPSのデータ)を使うというのが流行らしく、Twitterアプリは位置情報を要求するときに、「広告の精度を高めます」と告白してくれる。Facebookは黙っているが、まぁ、位置情報をとったらそれを何かに使おうとはしているだろう。広告も含めて。

iAdももちろん、位置情報を利用する。これは例によって深いところに隠れていて、「プライバシー」→「位置情報サービス」→「システムサービス」のなかにある。上から4番目の「位置情報に基づくiAd」がそれだ。「かまわないでくれ」と思う人はこれを「オフ」に設定変更すべきだろう。

ほかにAppleがiOSで仕掛けたものといえば、Wi-FiアクセスポイントのIPアドレスとGPS位置情報との連動で、Androidでもそうだが「位置情報を正確にするためにWi-Fiをオンにします」というのは、屋内でGPSの衛星が使えないときにマップで自分の位置をより妥当な位置に表示するために集めているデータの組み合わせだ。未知の場所、特に海外で勝手がわからないときなどにマップアプリは必須なので、これを嫌うかどうかは趣味の問題になってしまったような気がするところ。こうした「安価な」手段を許さない人が以前からたくさんいれば別のイノベーションが起きただろうが(屋内位置情報に関する研究が、もっと以前から促進されていただろう)、もはや手遅れなのかなと僕は思っている。

この、「システムサービス」内にある「Wi-Fiネットワーキング」と「携帯電話通信網検索」というのは、要するにそういうもの。一見、「使えるWi-Fiスポットを教えてくれるのかな」とか「携帯の電波が届く場所を教えてくれるのかな」とか、サービスを受けるほうで想像してしまいがちだが、実は自分が情報提供者になるという意味なのでお間違えなきよう。マップアプリにエンドユーザーが課金されないのは、エンドユーザーが位置情報という貴重な資金源を無償提供しているからという視点は忘れないほうがいい。「無料サービスの資金源は、あなた自身だ」というネットサービスの格言がある。

それから、以前裁判所だったか司法省だったかからAppleが大目玉を食ったGPSデータ垂れ流しの件だが、それに関係するのは「診断/使用情報」だろう。トップに戻って「情報」のなかに入ると、下のほうにあり、iOS 7のデフォルトでは「送信しない」となっている。

送信しないのだから気にする必要もないのかもしれないが、ここにはデフォルトでGPSなど位置情報が入っている。これを停止したければ、再び「プライバシー」→「位置情報サービス」→「システムサービス」で、「診断/使用状況」をオフにすべきかと思う。

ひとまず気がついたのは、こんなところ。