2015年12月28日月曜日

温湿度気圧センサBMP280 Breakout基板について

BoschのBMP280温湿度気圧センサを使う例がいくつか紹介されていますが,試してみていくつかはまったのでメモ。

使用したのは,スイッチサイエンスさんオリジナルの「BMP280搭載 温湿度・気圧センサモジュール」であります。基板が青いので一瞬Adafruitかな?と思ってしまったのですが,Adafruitのは3.3Vレギュレータがついていて,あとピン配置も異なります。

配線ですが,使わないピンがないことに注意することが大事です。7ピンすべて,どこかにつなぐこと。具体的には,I2Cの場合,ピンを手前にしたときの並びで「SDO」を解放のまま使われている例が見られますが,これは「I2Cアドレスの選択ビット」になるので,必ずプルアップもしくはプルダウンしないと,I2Cアドレスがふらふらと変化して,変な値をランダムに出すことになります。
  • I2Cの場合,SDOはプルダウンで0x76,プルアップで0x77です。開放のままにしていると,両方のアドレスをふらふらします。
  • 右端のVioとVcoreの両方を3.3Vに接続しましょう。スイッチサイエンスのページではジャンパでつながっていると書かれていますが,手元の基板はそうなっていなくて,チップが動作しませんでした。
  • プルアップ抵抗は入れましょう。Raspberry Pi内蔵プルアップ抵抗があるからいいやと思っても,測定値がちゃんと得られていないように見えます。
それで,Arduino IDEからAdafruitのBMP280対応コードを入れると思いますが,内部でAdafruit_Sensor.hを読んでいて,これはライブラリ管理には登録されていないので,GitHubからZIPをダウンロードして,ZIPファイルからインストールする必要があります。

Raspberry Piの場合はPythonで試すと思いますが,python-smbusをパッケージマネージャ等から入れてから,Adafruit_Python_BMP280を入れることになると思います。GitHubのREADME.mdの記述通りにいろいろ入れようとすると,Python2.6が入ったりします。たぶん記述が古いので,python-smbusだけでよいはず。

あと,Adafruit_BMP280_Example.pyのなかでは,I2Cアドレスとして0x77が書かれているので,SDOピンをプルアップに変更するか,コードを0x76に書き換えるなどして,合わせる必要があります。エラーがどっと出るときは,アドレスが合わずにデバイスが見つかっていないときです。

設定ビットでは,オーバーサンプリング数やIIRフィルタの設定などします。スイッチサイエンスさんの説明がわかりやすいです。ただ,キャリブレーションの値の読み出しと計算については特に書かれていませんが,Boschのデータシートを見ると,出荷前にチップ内部のNVRAMに値が記録されているそうです。えらく大層な計算をしますが,精度を得るには必要なので,書かれている通りに補正計算ルーチンを使いましょう(もしくは使う言語に応じて移植しましょう)。固定小数点で計算する場合と浮動小数点計算する場合がありますが,精度が高々0.2%,湿度はもっと悪いのでどちらを使っても実用上の違いはないと思います。

それと,データシートを読まないと気づかないですが,湿度を得るまでのレイテンシは1秒かかります。1秒間隔で値を読みだすのはちとつらいと思います。

取り急ぎ,ご報告まで。