2012年8月2日木曜日

Kobo Touchをhackする日本人たちに敬意

2ch有志カスタムファームウェアがあるというので、いろいろ探してみたら、Kobo Touch のソースツリー(及びパッチ)が出ているのね。
https://github.com/kobolabs/Kobo-Reader
2年前の最終更新だけれども、製品が出た当時のことを考えれば、まぁカーネルを置き換えるようなことは特にしていないのかもしれないなどと思いつつ。それにしても、Linuxで動いているからにはGPLに従ってソースを出さなければならないわけで、GPL強力と驚きました。いやまじで。

Linuxについては詳しくないので、daemon関係については正直さっぱりなのですが、アプリケーションがQt Embeddedというのもびっくり。電子書籍端末なのでなんかWebKitを使うプログラムが動いているんだろうと思ったら、Qtに含まれるWebKitを使っているというわけですね。ということは、日本語対応はQtを新しくするだけでそれなりに、ということですか。アプリ名はどうやらnickelらしい。

(2012年8月7日追記:日本語EPUBは、イースト社のNetFront BookReader v1.0 EPUB Editionを使っていると、ろす氏のブログに書かれておりまして、氏の立ち位置からして間違いない情報と思いますので訂正いたします。ちなみにNetFrontはACCESSがガラケーや組み込み向けに出してきた、別の意味で歴史のあるWebブラウザですな。イーストは電子書籍業界の有名人、下川さんの会社ですから、かなりEPUB3に思い入れの入った作りであろうかとは想像できます。それから、某有料メルマガ方面から、コストの問題で搭載すべきソフトウェアコンポーネントが別のものになっているという話がきこえてきて、それがもとからあったものなのか、楽天の要望を解決するために購入すべきものが代替物になったのか、そのへんは不明です。ただ、楽天なり日本の消費者の要望で、カラッとオープンだったKoboが囲い込まれた商品になっていくならそれは残念なことだと思います。)
(2012年8月13日追記:NetFront Book Reader v1.0 EPUB EditionのレンダリングエンジンはWebKitだということが、村上真雄氏のブログに書かれていた。氏はEPUB3の縦組みに必須のCSS3 Writing-Modeの規格に深く関わっていた方。他にも、いかにもWebKit的な特徴的なレンダリングが観察されるという言及は複数あり、ACCESSまったくオリジナルのレンダリングエンジンというわけではないようだ。この記事によれば、ACCESSはIDPFメンバーとして、WebKitベースのEPUB3組版リファレンス実装Readiumにコードを貢献し、それが反映されたものがMac OS X用カスタムバイナリとして現在提供されているようだ。つまり、一般的なChomeやChromiumブラウザにChrome Web StoreのReadiumを追加しただけでは、少なくとも日本語組版については不完全だということなのだろう。)

EInkディスプレイのドライバソースも出ているし、指の検知は縦横にずらりと並んだ赤外線LEDとフォトトランジスタだけなので、そりゃNetBSDの移植も即座に出てくるわなぁ、と思った次第。@h_kenkenさんがんばれ。ああ、なんと動機はMikutterの組み込みですか...なるほど。

と、どうやらTogetterに着々と解析結果が集積されているようで、僕がぐだぐだ書く必要性が感じられなくなってきたので、以下リンクのみ。