2012年5月16日水曜日

Mac mini (Mid 2011)で空のSSDからLionをインストールする

Mac mini (A1347)が納品された。これを買うのはThunderbolt DisplayとつながるMacが手持ちのAirしかなかったから、ということなのだがそれはそれとして。

せっかくなので、内蔵ハードディスクはおまけと考えて、SSDメインで使うことを考えた。ただし予算がないので240GB。結局セカンドディスクは必要ということが判明。

箱から出して、電源を入れる前にまず分解(お約束)。検索キーワードで「Mac mini 分解」とか入れればいろいろ丁寧な説明のあるサイトがあるので参照。

それなりの特殊ドライバーセットがあれば、分解はたいしたことはない。しかし、大問題があることに気がついた。

いくらAppleだからといって、特殊なコネクタをわざわざ内部で使うことはないでしょうと高をくくっていたのが大間違い。SATAのコネクタは、マザーボード側は1cm角程度の表面実装コネクタ。
2.5inchドライブとは、特殊なコネクタで接続することになる。今回はHDD 1台のみで発注しているので、内蔵500GB HDDにそれがついている。

サイトによっては、「上位モデルのMac miniでは2台目の増設ができるようにマウンタも入っている」などという記述があったけれども、実はこのMac mini、上位モデルにもかかわらず、そんなものは入っていなかった。

よって、500GB HDDを外して240GBのSSDと置き換えるほか手はない。ただ、まぁ製造元の中国工場からの横流し品かもしれないけれど、増設用マウンタと特殊コネクタのセットは販売されている。IT系ニュースサイトでも記事になっているので検索して確かめていただきたい。国内価格では、4980円。それが秋葉館では6300円。たぶん同じものだろう(途中経路は違うかもしれないけど)から、お好きなほうでどうぞという感じ。
もちろん、正規修理代理店に在庫があればごにょごにょする方法もないわけではないだろうが、きいた話では、「高いよ」とのことだった。なんでも、Appleは正規修理代理店にも部品では卸さず、故障品との交換を証明できなければ品物を出してくれないとのこと。昔、SONYショップからいろいろと保守用部品を取り寄せて自分で交換していたものだが、Appleは世知辛いよのうと思った次第。SONYの偉かったことは、交換部品(故障部分)を必ず添付して返却してくれること。不要ならその場で引取りにも応じてくれるが、自分で故障原因を調べるとか、部品とりに使うとか、コレクションするとか、すりすりするとか自由にしてよいということで、「お客様がご購入されたものはお客様のものです」という商売の基本を示していると感じたものだった。

とりあえず秋葉原まで6300円握りしめて出かけるようなところに住んでいるわけでもないので、そのうちどこかから通販で入手するとして、SSDに換装した状態でふたを閉めた。ただし、オリジナルのHDDとねじ穴が若干ずれていたせいか、ひとつだけどうしても止められないねじがあった。ちなみにSSDは、OCZのAgility 3の240GBモデル。なぜこれかというと単に店に置いてあったものでいちばん安かったから。Appleが新製品を発表すると1時間以内に完全分解写真を提供する名物サイトiFixitが扱っているのは、偶然同じOCZのAgility 3の120GBモデルだった。もしかすると、120GBであればぴったりサイズなのかもしれない。

で、論理フォーマットさえ定かでないSSDからLionをどうやって入れるか。普通の人は、「LionにアップグレードするときのイメージファイルをDVDに焼いた“インストールディスク”があるじゃないか」と考えるだろう。あるいは、Snow LeopardのCDでいったんクリーンインストールしてからMac App StoreでLionにアップグレードする人もいるだろう。僕は前者の考えだったのだが、どうにもインストールできない。
普通なら、「Cを押しながら電源を入れる」という伝統的なやりかたで強制的に光学ディスクからbootさせようとするだろう。ところが、なにもしないで起動しても、フォルダに「?」がついた絵が点滅するのみ。Cを押すと、通行止マークがしばらく出て電源が落ちてしまう。

なお、この状態ではThunderbolt Displayをつないでも電源は入らない。あくまでLionが起動していることが前提のようだ。本体と同梱された「HDMI-DVI変換ドングル」を利用して、DVI端子をもったディスプレイを接続しなければならない。また、念のため、キーボードもマウスもBluetoothではなく、有線のものをつないでおいた。

さて、こういうときにどうやってLionのインストーラを起動するか。ここでようやく、Lionから導入された「Internet Recovery」が活躍する場面になる。ちょいと検索してみたら、ややわかりにくかったが、「Optionキーを押しながら電源を入れる」のだそうだ。そのときの画像が以下のもの。


まずWi-Fiを検索しようとする。ここでWi-Fiスポットに接続してもよいが、有線LANを接続してほっておいても、いずれ右の画面に移る。ここで「↑」をクリックすればインストーラがダウンロードされる。その画面が次のもの。


ネットワークの速度によるだろうが、10分ほどもすると、おなじみMax OS Xのインストール画面になる。

ただし、Lionのインストールに入っても、SSDがMac OS Xの論理フォーマットになっていないので、インストール先のディスクが現れず先に進めなくなる。まず、「ディスクユーティリティ」を選択して、SSD全体をひとつのパーティションに設定しておく(パーティション分割したい人はそれなりに)必要がある。そうすれば、あらためてLionをインストールする段になって、ちゃんとフォーマットしたディスクドライブが現れる。

Internet Recoveryでは、LionもAppleからダウンロードされる。ざっと1時間程度でインストールは完了した。

ここまでくれば、Thunderbolt Displayをつなげばすぐに認識され、電源が入る。あとは「移行アシスタント」などで環境を移すなど、いつもの手順を進めていけばいい。

なお、本日現在の最新はLion 10.7.4のはずだが、Internet Recoveryでは、「ソフトウェア アップデート」を実行してみたところ、AirMacアシスタントとかいくつかのアップデートとともに、10.7.4のアップデートも現れた。雰囲気としては、1週間ぐらい前のイメージだ(なぜか、Safari 5.1.7は現れなかった。あとでもう一度確かめなくてはならない)。

現在「移行アシスタント」実行中なのだが、もとのMac mini (Early 2009)が遅いからだろうか、いまのところ3時間以上の残り時間を表示しつつ、時間は伸びていく一方だ。このまま静観したい(社説の終わり方風)。