Google Reader終了後、いろんな他サービスに移行した人は多いと思うのだけれど、僕のみたところ、どこも広告リンクを踏ませて収益を得ようとするとか、行動ターゲティング広告を狙ったようなアクセス解析に使うことを目的としたのが露骨に現れたサービスが目立ち、全く使う気になれなかった。
そんな折、自前サーバでフィードのアグリゲーションができるサーバとしてtt-rssの存在を知った。僕はさくらのVPSを借りていて、FreeBSDを入れていたのだけれど、portsにtt-rssも入っていて、簡単に使えたのでおすすめしたい。なにより第三者にどんなフィードを読んでいるかを知られることもなければ不要な広告リンクを踏まされる必要もない。あえていうならば、feedlyが人気らしいが、あそこはすべての記事が広告リンク経由になっているから、莫大な収益が得られているはずだ。ワンクリック0.1円だとしても、1万人が平均1日100アーティクル読むだけで10万円、世界的に利用者がいるはずなので、その1000倍は稼いでいるはずだ。その意味では、Flipboardのような、マガジン形式にするサービスも同様にアクセス解析等で収益を得ているはず。RSSフィードを活用している人は、自分がどれだけ相手の事業に貢献しているのか、儲けさせすぎていないか考えてよいのではないだろうか。
一方で、tt-rssのモバイルアプリとしてAndroid用があるが、これも決してよいUIではなく、改善が求められると思っている。それ以外はモバイルWebに対応させる手段しかなく、ttrss-mobileは簡単だが素朴にすぎ、g2ttrss-mobileは僕のところでは動かなかった。
しかし、iPhone限定ながら、Google Reader用RSSリーダとして非常に洗練されたアプリであるReederから、tt-rssにアクセスできるプラグインがあることを検索で知った。
tt-rssのフォーラムで公開されている、Feverプラグインがそれだ。Feverという、なにやら閲覧履歴からおすすめを温度で提示してくれるらしきフィードアグリゲーションサービスがあるようだけれど、そのAPIを模したプラグインがtt-rss用として提供されている。現在のバージョンは1.2。スレッドトップの記事のattachmentのところにリンクされているので、zipファイルを展開し、自分のtt-rss/pluginsの下に展開し、Webの設定からプラグインを有効にしてやればよい。Reeder側からはFeverの設定として、自前のtt-rssサーバのFeverプラグインのURIを指定し、tt-rssの自分のユーザと、プラグインで設定したパスワード(tt-rssのユーザパスワードとは独立)を設定すればよい。メールアドレス入力をするようReederから指示されるが、そこは無視してユーザ名を入れればよい。
iPadの場合、タブレット向けUIを犠牲にしてiPhone用アプリをそのまま使うか、4種類のアプリがApp Storeにあるので、それを使うことになる。ひと通り見てみたが、いずれもtt-rssのWebインタフェースを超えるものではなかったので、無料の「Tiny Reader」で十分ではないかと思う。300円のTTReaderはスクリーンショットでは一見よさそうに見えるが、特にこれといった機能があるわけではなく、シェア機能に「Pocketに入れる」がある程度だったりする。Reederの利点であるMobilizerを通すものはひとつもないので、Mobilizer必須ならば、ReederのiPhone版一択だが、個人的感想ではそれほど悪くないと思っている。
(追記:「tt-rss Reederテーマ」を試してみた。PC上のChromeでは素晴らしい表示。機能もかなり近づけられていてたいへんよいが、iPadのSafariではやや遅めの印象。iPad Airなど最近の機種ではどうかわからないが、iPad 3では厳しかった。)