2012年11月25日日曜日

LogicoolのタッチパッドT650

Windows 8なんだが、せっかくジェスチャーが定義されているのにマウスでは使えなくて残念なので、現在唯一(いや、MicrosoftのWedge Touch Mouseはどうなんだという話があるが、やっぱりこれはマウスだ。いくら表面でスワイプできてもジェスチャーができるという話は見当たらないようなのだが)ジェスチャー対応している、LogicoolのT650に突撃したわけである。

いかんせん、価格は大問題だ。Apple Magic Trackpadが定価6,800円なのに、これは8,000円近くする。ひとつには、充電式で二次電池内蔵であることと、ペアリングに必要なUSBのBluetoothドングルがついてくるというところの価格差が考えられる。

名刺用紙を買うついでにビックカメラを冷やかしてみたが、うまい具合に在庫切れで助かったが、ここで心にひっかかりが残ってしまった。なにかのはずみでヤフオクに4,000円からで1つ出ていて、参戦したのだが、追い込みでほぼ定価で落札されて終わっていた。すると困ったことに、ソフマップを覗いてみると、1つだけ在庫があったりして、完全に負けである。

さて、で、この商品。

外箱。7,980円である。親切な店員さんがおまけしてくれたがそれでも高い
それなりにずっしりと重みがあり、Appleのアレとはずいぶん違う。ガラスを使っている点と、二次電池の重さがあるような気がしないでもない。

さて、開梱である。上蓋を持ち上げると商品登場、って、まるっきりAppleだが、箱がダークで本体も同じ色なので全然演出効果がない。ああこれね、で終わってしまった。パッケージデザイナの人はもう少しがんばりましょう。

蓋をあけると商品が現れるという、どこかで見たようなパッケージング。
本体の下は、ちょっとした折り紙で2段になっていて、開くと内部に取説と、USBドングルと充電用USBケーブルが入っていた。ドングルはスポンジ状の少し固めのゴムに収まっている。

本体を外すと、下の段にはUSBドングルと充電用ケーブル
当初、このUSBドングルはいらないのではないかと思っていた。Windows 8は2009年版のMac miniを使っているので、Bluetoothは内蔵しているし、Windows 8側でうまくペアリングもやるのではないかと考えて試行錯誤したのだが、どうにもうまくいかない。だめもとでこれをUSBポートに挿すと、あっという間にペアリング成功して関連のソフトウェアインストールの通知が現れた。消える前にと思って押したので写真が撮れなかったが、Windows 8でよくある通知で、メッセージも適切であり、非常に自然に誘導してもらえた。これはWindows 7までのマイクロソフトとは違う、Windows 8ならではのよく考えられたしくみだ。

ドングルをつけてペアリングされると、自動的にソフトウェアがインストールされる
それでインストールされるのが、どうもLogicool独自のSetPointソフトウェアというもののようだ。ジェスチャーなどは、これが面倒をみるらしい。しばらくするとインストールが終わり、デスクトップ画面であればタスクバーになにやらアイコンが現れる。これが設定に関係する常駐アプリのようだ。早速開いてみると、

これまたどこかで見たような設定画面である
 右の写真は動画で、選択している項目の操作を示している。Appleと全く同じ。わかりやすいからいいんだけど。

Windows PCでタッチパッドをお使いの方々は、クリックではなく1本指タップでの操作を好まれるようで、「タップとクリック」がデフォルトの設定だった。僕は1本指タップは嫌いなので、Macに合わせてクリックのみに選択を変更した。クリックするスイッチはAppleと同じく、手前の左右のゴム足のなかにある。だが、これが結構硬く、指先でクリックするというよりは、第一関節の骨で叩く感じでないと、自然な力でスイッチが入るようにはならなかった。このへんの不自然さを嫌って、サイト等でのレビューに不満が多く出ているようだが、Appleのゴムはとても柔らかく、ちょっと指を乗せる感じでスイッチがしっかり入る。ただし、柔らかいので床を刷るとゴムが穴から外れてしまうので、そのときはがんばって押しこみ直す必要があるのがやや難点だ。

どこかの口コミにあったが、スワイプは、最初はマウスと同じく指の方向とは逆向きになっている。設定画面で、下にある[スクロールのオプション]ボタンを押すと、チェックされていない項目があるので、それをチェックすればスマホと同じ動きになる。

ジェスチャーだが、Mac OS X Lion以後のジェスチャーに慣れていたこともあり、非常に満足だ。三本指アップ・ダウンは、アップがスタート画面で、ダウンがデスクトップへの切り替えなのだが、別にMacと違うという違和感はない。むしろ、MacでLaunchPad画面を開くのに、3本指でつまむ操作が結構難しいので Windows 8ならこれでいいと思った。

また、画面両端からスワイプという(タッチパネル画面もしくはタブレットの場合)操作に相当する、パッドの両端からのスワイプもちゃんとできる。チャームを出すのにマウスカーソルを画面の右の上端もしくは下端に動かすというのはストレスだったので、これは助かる。メニューを出すための上からのスワイプもあり、マウスの右クリックという苦し紛れの割り当てからは開放される。デスクトップ画面での、四本指アップでの全画面表示、ダウンでのデスクトップ表示もなるほどと思った。Urbanアプリでなくても、そうやって全画面にして、左からスワイプで切り替えていけばいいし、デスクトップを見たければスワイプダウンで一発だから、マウスカーソルを目で追いかけながらポチポチ操作することはもうやらなくてよいということになる。

できればAppleは次のBootcampでTrackpadサポートをWindows 8向けにがんばってほしいのだが(いまは7用のBootcamp 4.0で強引にインストールしている状態)、それまでは、あるいはWindows用デスクトップを使っていて、Windows 8にしたのに画面に触っても何も起きないとお嘆きの方々にも、多少値は張るがおすすめできる商品だと思った。

もう一度繰り返すけれど、マウスカーソルを目で追いかけるようなUIは、スマホやタブレットがこれだけ受け容れられた現在では絶滅していいと思っている。ジェスチャーと、おおざっぱな場所のタップで操作できるアプリがPCにもやってくれば、マウスカーソルというものはなくなっていいはずだ。

まとめとして、よくある、Pros & Consでしめる。

Pros:

  • 大きさはAppleのMagic Trackpadと同じ表面積で、ジェスチャー操作するには十分な広さがある。
  • Appleのアルミの指ざわりと違い、表面にガラスを使っているのでスマホ的な印象がより強調されている。多くの人はガラスのほうが心地よいと感じるのではないか。
  • 添付のUSBドングル(同社のキーボードやマウスと共通なので、それを持っていれば流用可能)さえ使えば、ほとんど考える間もなく使えるようになる。たいへん優秀。
  • ジェスチャーは素晴らしい。


Cons:

  • Appleのが傾斜があるのに対して、こちらはほぼ水平である。そのため、Apple製品と較べて、パッドの上のほうに指が届きにくい感じがする。
  • 専用ドングル(Unifyingレシーバーというらしい)必須というのはやや厳しい。標準のBluetoothを使う方法はないものか。
  • 充電式なのはよいが、結局充電ケーブルを挿しっぱなしにして使うような気がする。そうなると、Bluetoothであるメリットはどこ?という感じがしないでもない。